たの葉の物思い 

たの葉が思ったことです、主に本を読んだ感想、ときどき、それ以外

岩波新書シリーズ日本古代史②ヤマト王権

著・吉村武彦

 「倭」って、さげすむ意味の字だったのか。日本人はそう認識してなかったって、わかっていなかったのか気にしなかったのか。字の意味を理解できなかったことはなかったの思うのだけど。どちらにしても、なんかいいかも。

 卑弥呼に「親魏倭王」の称号を与えた魏の外交的政治的状況が面白い。わたしは三国志には興味がないのだが、魏は日本の歴史にとって重要なのね。「対馬」、はるか昔から今に生き残った名前、地名だったのね。奈良も大阪も、古代の先進地域だったのだなあと、改めて、しみじみ。

 中華思想にならった面もある「治天下の王」。中国の皇帝が東夷の蕃国に求めたのは有徳の天子に対する朝貢だが、ヤマト王権が求めたのは実利だという、その違いが、なんかいいな。

 朝鮮半島との難しい関係は4世紀末からなのか。どんな国でも、隣国との関係は難しい…。交通が不便な不自由な時代の、対外関係の活発さに驚く。情報伝達が不便な不自由な時代、でも、外国に対して積極的で貪欲なこと。外からの刺激って、重大な一要素。

  この時代の人やものの名前。今の感覚からは不思議な、言いにくい名前。だけど、魅力的だと感じる。

 律令制が整う前の体制もなかなか興味深いが、ヤマト王権の組織がだんだん整備されていく様子はわくわくする。

 前方後円墳の巨大な威容そのものが、一つの文化であり思想だったのか。だから仏教などの思想や文化が入ってくると、その巨大さは王権に必要なくなるのか。

 それにしても、この時代に関しては、まだまだ断言できないことが、謎が、多いのだな。わたしは歴史は好きだが、考古学はあまり。けど、古代の歴史においては、考古学が大切なのだなあ。